歯周病が全身の健康に大きく影響を及ぼすことを知っていますか？
歯周病は口の中だけの問題と思われがちですが、実は全身にさまざまな悪影響を与えることが知られています。
糖尿病や心疾患、早産や低体重児出産、さらには誤嚥性肺炎や骨粗鬆症など、歯周病が進行すると全身の健康にも影響を及ぼすリスクが高まります。
この記事では、歯周病が及ぼす全身への影響について詳しく解説し、予防方法をご紹介します。
歯周病とは
歯周病とは、歯を支える歯肉や骨に炎症が起こる病気です。
初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多いため、最終的には歯を失う原因になることもあります。
歯周病は、プラークや歯石の蓄積が主な原因です。
日々の歯磨きではこれらを完全に除去することが難しいため、定期的な歯科受診が重要です。
歯周病が及ぼす全身への影響
糖尿病
糖尿病は、血糖値が高くなる病気で、インスリンがうまく働かないことで発症します。
糖尿病患者は歯周病にかかるリスクが高く、逆に歯周病の治療を行うことで、血糖値が改善する可能性も報告されています。
心疾患
歯周病がある人は、心疾患を発症するリスクが高いとされています。
これは、歯周病によって生じた炎症性物質が血流を通じて心臓の血管に悪影響を与えるためです。
歯周病が重度であるほど、心疾患のリスクが高まると言われています。
早期低体重児出産
歯周病を患っている妊婦は、早産や低体重児のリスクが健常な妊婦よりも高いとされています。
妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりによる口腔ケアの不足が原因で、歯周病にかかりやすくなり、炎症物質が子宮を刺激して早産や低体重児出産のリスクが高まります。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、特に高齢者に多い病気で、唾液や食べ物が誤って肺に入り、そこに細菌が感染して引き起こされます。
歯周病菌が多く存在する口腔内では、これらの細菌が唾液とともに肺に入り込み、肺炎を引き起こす可能性が高まります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は、骨がもろく折れやすくなる病気です。
全身の骨が弱くなることで、歯を支える歯槽骨にも影響が及び、歯周病が進行しやすくなります。
骨粗鬆症と歯周病は密接な関係があり、相互に影響を与えることが分かっています。
歯周病の予防法
毎日の歯磨きでプラークを除去
歯周病の主な原因は、歯と歯茎の間に溜まるプラークです。
これを取り除くためには、毎日の丁寧な歯磨きが不可欠です。
歯ブラシに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れもきれいにしましょう。
特に就寝前には、プラークや食べかすをしっかり除去することが重要です。
歯科医院での定期的なクリーニング
自宅でのケアだけでは取り除けない歯石やプラークは、定期的な歯科クリーニングで除去することが効果的です。
一般的には半年に一度のクリーニングが推奨されています。
食生活の見直し
栄養バランスの取れた食生活は歯周病予防に大切です。
特に、ビタミンCやカルシウムが豊富な食品を摂取することで、歯茎の健康を保つことができます。
また、甘い食べ物や飲み物の摂取を控え、食後には水やお茶で口をすすぐ習慣をつけましょう。
禁煙
喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因です。
タバコに含まれる有害物質が歯茎に悪影響を与え、歯周病の進行を早めます。
禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
口腔内の乾燥を防ぐ
口腔内が乾燥すると細菌が増殖しやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
こまめな水分補給や、キシリトールガムを噛むことで唾液の分泌を促進し、口内の潤いを保ちましょう。
正しい噛み合わせを維持する
噛み合わせが悪いと、歯や歯茎に不均等な力がかかり、歯周病が進行しやすくなります。
定期的に噛み合わせをチェックし、問題があれば早めに治療を受けることが大切です。
まとめ
歯周病が全身に与える影響は深刻で、健康に大きなリスクをもたらすことがあります。
歯周病は初期段階では気づきにくいため、日々のケアと定期的な歯科検診が予防のカギとなります。
また、歯周病を予防することで、糖尿病や心疾患などの全身の健康問題を防ぐことが期待できます。
早めのケアで、大切な歯と全身の健康を守りましょう。
たけすえ歯科クリニック
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